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10月公演
「心踏音-shintouon-」
とある集落に一人の男がいた。
何をするでもなくぼんやりと
日がな一日を過ごす。
男は、生まれた時から目が見えなかった。
幼馴染に連れられて集落を出た男は、
ひょんな出来事から一人の女と出会う。
自警団を束ねる長の娘として
寵愛されている彼女は、
生まれた時から言葉を
発することができなかった。
互いの隙間を埋め合うように
交流を深めていく男と女。
女の踏む足は声となって男に届き、
男の耳は目となって女を見つめた。
平穏で、眩しくて、愛おしい日々。
それはこれからも続いていくものだと、
信じていた。
これは男女の物語。
光を奪われた男は、
復讐の修羅となる。
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