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10月公演
「心踏音-shintouon-」
とある集落に一人の男がいた。
何をするでもなくぼんやりと
日がな一日を過ごす。
男は、生まれた時から目が見えなかった。
幼馴染に連れられて集落を出た男は、
ひょんな出来事から一人の女と出会う。
自警団を束ねる長の娘として
寵愛されている彼女は、
生まれた時から言葉を
発することができなかった。
互いの隙間を埋め合うように
交流を深めていく男と女。
女の踏む足は声となって男に届き、
男の耳は目となって女を見つめた。
平穏で、眩しくて、愛おしい日々。
それはこれからも続いていくものだと、
信じていた。
これは男女の物語。
光を奪われた男は、
復讐の修羅となる。

![]() 人々が行き交う街道。 楽しげに酒を呑み交わしたり、 握り飯を喰らったり。 商人や赤子を連れた母、 旅人の姿も見受けられる。 | ![]() そこへ一人の男がやってくる。 コツコツと杖を鳴らしながら歩く。 どうやら男は目が見えないようだ。 |
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![]() 男の対面に、長髪の男性が現れる。 その手には鈴を握り締めている。 | ![]() |
![]() 男性が鈴をチリンと鳴らす。 途端、盲目の男が杖に仕込んであった刀を抜いて斬りかかる。 | ![]() 斬り結びながら遠のいていく 二人をただただ見守る女性の姿があった。 |
![]() | ![]() 時は遡って。 とある集落に、盲目の男・盲人が暮らしていた。 畑仕事もままならず、 日がな一日を土手に座って過ごす。 |
![]() 村の衆から役立たずと 邪険に扱われている盲人を 助けに来る幼馴染・笑人。 | ![]() いつものように蹴散らして、盲人の杖を引く。 |
![]() 大きな鞄を二つ提げた笑人は、 集落を出ようと誘う。 そのまま二人は旅立っていった。 | ![]() 旅の道中。 人通りの多い道を、宛もなく歩く盲人と笑人。 |
![]() 一人の女性・フミが現れる。 何かから逃げているようで、 道行く人に身振り手振りで訴えかけているが、 相手にしてもらえない。 | ![]() |













